株式投資型クラウドファンディングでの出資は上場企業への投資とは大きく異なります。
出資対象は未上場の企業となるので代表的な指数は全く利用できません。
今回は株式投資型クラウドファンディングで投資する時に事前にチェックしなければいけない5つのポイントを紹介していきます。
どれも重要なポイントです。
Contents
創業者に魅力はあるか
まずチェックしたいのが創業者の性格や力量です。
企業が大きくなるかどうかは経営者にかかっているといってもいいからです。
創業者に力があれば市場や業種など関係なしに大きくなっていきます。
逆に、伸び盛りの市場にアクセスしていたとしても経営者に力がなければ大きくなっていくことはありません。
創業者の過去の実績や熱意などは必ずチェックするようにしてください。
調べるのに1番適したツールはSNSです。
最近は創業者もSNSを利用している場合が多いので、過去の投稿をみれば人物像が大分掴めると思います。
サービスに対する理念、熱量、ビジョン、などなど多角的に判断するようにしましょう。
著名なプロ投資家はサービスもそうですが、創業者を特に重要視します。
ベンチャー企業へのエンジェル投資は創業者への投資とほとんど変わらないからです。
もし創業者が過去にIPOやM&Aの経験がある場合はそれだけで投資する価値があります。
事業がスケールするかどうか
そして、事業内容も非常に重要です。
市場規模、さらには今後スケールしそうなのかをチェックしましょう。
「スケールする」とは業界で規模が大きくなることを指します。
市場規模が拡大傾向にある事業ならば、追い風が吹いている状態なので会社は成長しやすいです。
また、そのベンチャー企業がその市場規模でどのくらいのシェアを取れるのかも予想しておくといいかもしれません。
プロダクトやサービスはすでにあるのか
出資する企業がすでにプロダクトやサービスを開発しているのかも必ずチェックしてください。
アイディアしかない場合とすでにプロダクトやサービスがある場合では進捗率が全く異なります。
アイディアだけの段階ではそれが実現可能なのかどうかというのが実証されていないからです。
toC向けのサービスやプロダクトだったら一度自分で利用するようにしましょう。
業績が赤字なのか黒字なのか
ベンチャー企業の多くは赤字運営です。
よって資金調達時に赤字だったとしてもそれほど気にする必要はありません。
ただし黒字の場合は事業継続性が高いため、短期間での資金ショートは起こりにくいです。
ベンチャー企業の業績はJカーブを描くと言われています。
初めは赤字を掘って、その後収益が積み上がっていくという流れが多いです。
黒字を出していると魅力的な企業に見えるかもしれませんが、赤字で上場する企業も非常に多くあります。
赤字運営は税金などの無駄なキャッシュを支払わなくて済むメリットもあるんです。
米国でデカコーン(時価総額1兆円以上の企業)となった配車サービスアプリのUberやLyftは未だに赤字。
日本でユニコーン企業となったメルカリもIPO時の業績に加えて、上場後も赤字が続いている状況です。
バリュエーションが適切かどうか
時価総額のことをバリュエーション(バリュー)といいます。
資金調達前の時価総額のことをプレマネーバリュエーション(プレバリュー)。
資金調達後の時価総額はポストマネーバリュエーション(ポストバリュー)。
株式投資型クラウドファンディングで資金調達をする時点でのバリューは必ずチェックしてください。
プレバリューは下記の計算式で求めることができます。
発行済株式枚数 × 発行価格
そしてポストバリューの計算式は下記の通り。
プレバリュー + 資金調達額
例えば、発行済株式枚数が80,000株で発行価格が1,000円、資金調達を1,000万円したとするとそれぞれの金額はこのようになります。
- プレバリュー → 8,000万円
- ポストバリュー → 9,000万円
プレバリューとポストバリューを出したら、自分なりにその企業を調べてその価値が適切かどうか判断しましょう。
安定して黒字を出しているか、赤字だけど将来性があるかどうかなど。
もちろん、募集会社の業績によって時価総額は大きく変わってきます。
バリューの基準などはありませんので自分で判断するしかありませんが、プラットフォーム側でもチェックしていますから、飛び抜けて高いバリューになっていることはまずありません。
そこは安心してください。
プロ投資家が出資しているかどうか
プロ投資家が出資しているかどうかもチェックしておきましょう。
プロ投資家というのは下記を指します。
- 著名なエンジェル投資家
- ベンチャーキャピタル
- 事業会社
なぜプロ投資家の有無をチェックするかですが、プロ投資家が出資している案件はエグジットしやすいというデータが海外出ているからです。
そして、プロ投資家は出資する際に必ず企業のことを調べあげます。
伸びていく可能性がなければ投資することはありません。
プロ投資家が出資している時点で多少の安心感はプラスされます。
また、プロ投資家が出資しているかどうかは募集ページにのっています。
事情により掲載していない場合もありますが、ネット上で企業名で検索をかければ第三者割当増資などの情報がヒットする場合があります。
純粋に応援したい会社かどうか
そして1番重要なのはその会社を「応援したいかどうか」です。
金銭的なリターンだけを目当てに出資した場合、もしその企業が倒産したらそこには後悔しか残りません。
しかし自分が心から応援したいと思った企業ならば、最悪の結果になっても納得できるはずです。
金銭的なリターンよりもまずは「応援したいと思えるか」で決めるようにしてください。
株式投資型クラウドファンディングは企業と株主が協力しあって、事業を進めていけるというメリットがあります。
その企業のファンになれば純粋に株主でいることを楽しめるはずです。
まとめ
今回紹介したのは株式投資型クラウドファンディングで投資する時に最低限チェックしたいポイントです。
もちろんこの5つをクリアしたからといってもエグジットできるとは限りませんし、クリアしていなくても魅力的な企業はたくさんあります。
最後はやはり自分の感覚を信じるしかありません。
人に左右されず自分が納得した会社に出資するようにしましょう。