株式投資型クラウドファンディングとよく勘違いされるのがソーシャルレンディングです。
ソーシャルレンディングは融資型クラウドファンディングとも言われています。
両者ともクラウドファンディングという仕組みを利用してはいますが、中身は大きく異なります。
本日は株式投資型クラウドファンディングとソーシャルレンディングの違いを徹底解説していきます。
Contents
サービスや運営事業者で比較
まずはそれぞれのサービスと運営事業者を比較していきます。
株式投資型クラウドファンディングの事業者とサービス
株式投資型クラウドファンディングのサービスを行うには第一種少額電子募集取扱業者に登録をしなければいけません。
日本における第一種少額電子募集取扱業者を紹介します。
- 株式会社日本クラウドキャピタル
- エメラダ株式会社
- DANベンチャーキャピタル株式会社
- 株式会社ユニコーン
- ユニバーサルバンク株式会社
この記事を書いている時点では5社です。
そしてそれぞれの会社で運営しているプラットフォームは下記の通り。
- 株式会社日本クラウドキャピタル→FUNDINNO
- エメラダ株式会社→エメラダ・エクイティ
- DANベンチャーキャピタル→GoAngel
- 株式会社ユニコーン→ユニコーン
- ユニバーサルバンク株式会社→angelbank
ソーシャルレンディングのサービスと運営事業者
一方、ソーシャルレンディング事業を行うには第二種金融商品取引業の登録が必要です。
こちらは第一種少額電子募集取扱業者とは異なり、多くの企業で登録されています。
代表的な企業は下記の通り。
- 日本クラウド証券株式会社
- ロードスターキャピタル株式会社
- クラウドクレジット株式会社
- 株式会社クラウドポート
- maneoマーケット株式会社
日本国内では500社以上が存在します。
市場規模で比較
それぞれの日本国内における市場規模をチェックしていきましょう。
株式投資型クラウドファンディングの市場規模
まず、株式投資型クラウドファンディングにおける2018年の市場規模はおよそ14.7億円です。
2017年にスタートしたばかりということもあり、まだまだ発展途中。
しかしながらしっかりと拡大をしています。
ソーシャルレンディングの市場規模
一方、ソーシャルレンディングは2017年の時点で市場規模は1,300億円です。
2019年は2,000億円を超えるのはほぼ間違い無いでしょう。
株式投資型クラウドファンディングはソーシャルレンディングと比較すると市場規模はたった1/10ほどしかありません。
投資家へのリターンで比較
投資家へのリターンも大きく変わってきます。
株式投資型クラウドファンディングのリターン
株式投資型クラウドファンディングのリターンは株式や新株予約権(ストックオプション)です。
企業は出資額に対して投資家に株式を渡します。
投資家は出資した企業がIPOまたはM&Aされた時に利益を得ることが可能。
もし出資した企業が時価総額1,000億円以上のユニコーン企業となり、IPOした場合は出資額に対して数十倍のリターンが見込めます。
イギリスの株式投資型クラウドファンディングプラットフォームであるクラウドキューブではすでにユニコーンとなった企業があります。
Revolutという企業です。
今後フィンテック業界を引っ張っていくと言われている存在。
まだイグジットをしていませんが、IPOをしたらデカコーンになる可能性もあります。
日本からもこんな企業が出て来たら数百万円、数千万円のリターンも夢ではありません。
ソーシャルレンディングのリターン
ソーシャルレンディングのリターンは融資した企業からの分配金です。
もし利回り5%で運用期間1年のファンドに10万円出資した場合は5,000円の利益を得られます。
一部の事業者を除き、基本的には想定利回り以上の利益を得ることはできません。
株式投資型クラウドファンディングのように大きな利益は望めませんが、一ヶ月一回や四半期に一回など定期的に分配金を受け取れるのがメリットです。
投資家のリスクで比較
リターンの次はリスクでも比較していきましょう。
株式投資型クラウドファンディングのリスク
1番のリスクは出資した企業の倒産です。
倒産してしまった場合、出資金が返ってくる可能性は極めて低いです。
株式投資型クラウドファンディングは融資ではなく、出資ですので企業が返済する義務はありません。
ハイリスク・ハイリターンな投資となります。
ソーシャルレンディングのリスク
ソーシャルレンディングのリスクは二つあります。
一つ目はファンドの運用リスクです。
投資したファンドの運用がうまくいかなかった場合、想定利回りを大きく下回ることがあり、最悪は元本が毀損します。
2つ目は事業者リスクです。
事業者の運営が上手くいかなかった場合、すべてのファンドでデフォルトが起こる可能性があります。
実際、いくつかの事業者では自転車操業の実態が明らかになり投資家に対して大きな損失を与えました。
健全に運営している事業者を見極めることが非常に大事です。
株式投資型クラウドファンディングと比較するとリスクとリターンが共に低く、ミドルリスク・ミドルリターンな投資方法になります。
投資家の最低投資可能額で比較
最低投資可能金額で比較していきます。
株式投資型クラウドファンディングの最低投資可能額
株式投資型クラウドファンディングの場合はプラットフォームによって最低投資可能額が変わります。
過去に最も少ない金額で投資できたのはFUNDINNO(ファンディーノ)で募集した、漢方生薬研究所の1万円です。
ただし普段は10万円前後となっています。
プラットフォームではユニコーンが5万円からと最も低い金額で投資可能です。
ソーシャルレンディングの最低投資可能額
ソーシャルレンディング事業者で最も少ない金額で投資できるのはクラウドポートが提供するFunds(ファンズ)の1円です。
他のソーシャルレンディング事業者では基本1万円からとなっています。
ソーシャルレンディングの方が株式投資型クラウドファンディングと比較して手軽に投資することが可能です。
比較まとめ
株式投資型クラウドファンディングとソーシャルレンディングはクラウドファンディングの仕組みを利用してはいますが中身は全く異なります。
リスクやリターンも大きくことなりますので、しっかりと両者を理解した上で投資を行いましょう。