ベンチャー企業が資金調達する際にはそれぞれ名称がつけられています。
成長段階に応じて、調達額が増加していくのが基本。
今回はベンチャーファイナンスにおける資金調達ラウンドについてまとめていきます。
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3Fラウンド
創業間もない場合は出資をしてくれる投資家を見つけるのは困難です。
多くの企業は下記の方法で資金調達をします。
- Founder(自分)
- Familiy(家族や親戚)
- Friends(友人)
つまり、自分、家族、友人です。
これを称して3Fといいます。
基本は自己資金の投入だけで次にラウンドにいくことが多いですが、まれに家族や友人からも資金調達を行う場合があります。
しかしながら会社が倒産してしまった場合に遺恨が残る場合があります。
多くの株式を渡した場合、経営権を握られてしまう危険性もあるためあまり実施はされません。
エンジェルラウンド(シードラウンド)
3Fラウンドの次はエンジェルラウンドに入ります。
シードラウンドともいいます。
エンジェルラウンドはエンジェル投資家からの資金調達です。
自社のビジネスモデルに興味を持っている個人投資家から数百万円〜数千万ほどを出資してもらいます。
一人の場合もありますし、複数の投資家から出資してもらう場合もあり、ケースバイケースです。
また、最近ではこのシードラウンドを中心に出資をするベンチャーキャピタル(VC)も登場してきました。
このようなベンチャーキャピタルのことをシードアクセラレーターやインキュベーターとも言われています。
代表的なVC(ベンチャーキャピタル)は下記の通りです。
- NOW
- サムライインキュベート
- B Dash Ventures
- KDDI ムゲンラボ
- イーストベンチャーズ
- スカイランドベンチャーズ
他にも多くのVC(ベンチャーキャピタル)がいます。
エンジェル投資家、VC(ベンチャーキャピタル)、両方から資金調達する会社も多いです。
シリーズAラウンド
エンジェルラウンドの次はシリーズAです。
シリーズAでは数千万円〜数億円規模の資金調達を行います。
出資先の多くはベンチャーキャピタルです。
数社から資金調達するのが基本です。
ただし、エンジェル投資家も出資する場合があります。
シリーズAまでくると大手ベンチャーキャピタルからの出資が期待できます。
- ジャフコ
- みずほキャピタル
- SMBCベンチャーキャピタル
- 三菱UFJキャピタル
- りそなキャピタル
- SBIインベストメント
- DBJキャピタル
- グリービス・キャピタル・パートナーズ
- 伊藤忠テクノロジーベンチャーズ
- グローバル・ブレイン
これらはほんの一部。
日本には数多くのベンチャーキャピタルが存在しています。
シリーズBラウンド
シリーズBでは数億円〜数十億円の資金調達を行います。
ベンチャー企業のプロダクトやサービスも認知され始め、黒字化が見えてくるころです。
調達した資金はマーケティングや人材の確保などに使われます。
シリーズBまでくるとエンジェル投資家が出資することはほぼなく、ベンチャーキャピタルがメインです。
複数のVC(ベンチャーキャピタル)がシンジケートを組んで出資をします。
そして、ここまでくると資金調達後にIPOをして次のステージにいく会社も出てきます。
シリーズCラウンド
シリーズCまでくればIPOは目前です。
売り上げをもう一段階アップさせるための資金調達を行います。
出資先はベンチャーキャピタルがメインとなり、調達規模は十数億円〜数十億円規模です。
シリーズB同様に数社がシンジケートを組み、出資を行います。
またこれ以降もシリーズD、シリーズEと存在しますが日本では長くてもシリーズCまでというのが一般的です。
ブリッジファイナンス
各ラウンドまでの間にブリッジファイナンスといってつなぎの資金調達をすることがあります。
これは次回のラウンドに行くまでの成長ができていない場合、もしくは魅力的な企業に早い段階で出資したい場合などに実施されることが多いです。
3Fラウンド〜シードラウンドまでのブリッジファイナンスをプレシード。
シードラウンド〜シリーズAまでのブリッジファイナンスをプレシリーズAといいます。
株式投資型クラウドファンディングはシードステージで使われることが多い
日本において株式投資型クラウドファンディングでの資金調達はシードステージで利用されるのが一般的です。
特にプレシードやプレシリーズAでのファイナンスに使われる傾向があります。
プレシリーズBで利用されるのはごく稀です。
最近ではシリーズAなどでも利用される動きがでています。
資金調達ラウンドのまとめ
今回は大まかに資金調達ラウンドについてまとめてきました。
資金調達額などはあくまで目安として受け取ってください。
最近ではシリーズAでも10億円以上を調達する会社がでてくるなど、年々金額が大きくなっている印象を受けます。
シリーズBまでいけば企業も軌道に乗り始めている段階に入っており、エグジットも見えてきます。
資金調達ラウンドをしっかりと理解して、出資先の成長を見守っていきましょう。