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オールユアーズにおける資金調達の全貌!! 資本政策を専門家が徹底解説!!

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こんにちは、HiroCです。

今回は株式投資型クラウドファンディングのプラットフォームであるFUNDINNOを利用して資金調達したオールユアーズの資本政策を紐解いていきたいと思います。

なお、登記簿及びニュースリリース等を踏まえて筆者が独自に作成した資本政策表は、下記のリンク先からダウンロードできます。

推定資本政策表はこちら

会社概要

株式会社オールユアーズはオリジナルブランドAll Yoursを中心に取り扱うアパレル企業。クラウドファンディングを積極的に利用して、話題性のある商品を提供しています。

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資金調達の推移

(1) 2015年7月 設立(東京都世田谷区)

決算公告より、資本金と資本準備金に350万円の差額があることから、設立時に資本金350万円で設立したと推測されます。これを前提として以降の資金調達ラウンドにおける株価を算出しています。

2018年4月に本店を現在の住所に変更しています。

(2) 2016年7月 第三者割当増資(普通株式+A種優先株式)

会社サイト及び登記簿より、設立から1年後に、普通株式及び優先株式により資金調達を行っています。資金調達時の株価は、普通株式が5,000円/株に対し、A種優先株式は4倍の20,000円/株であったと思われます。

本ラウンドにおけるPre Money Valuation(資金調達前時価総額)は49,100,000円、総調達金額は24,040,000円であったと推測されます。

普通株式による調達
発行株式数 2,340株
株価     5,000円/株
調達金額  11,700,000円
優先株式による調達
発行株式数 617株
株価     20,000円/株
調達金額  12,340,000円
総調達金額 24,040,000円
時価総額(Post Money Valuation) 73,140,000円

(3) 2016年8月 第三者割当増資(B種優先株式)

前回ラウンドから1か月後に、早くもB種優先株式による資金調達を行っています。優先株式の価額は30,000円/と、1か月しか経っていないにも関わらず前回ラウンドより50%上がっています。Pre Money Valuation(資金調達前時価総額)は109,710,000円でした。

発行株式数 670株
株価     30,000円/株
調達金額  20,100,000円
時価総額(Post Money Valuation)129,810,000円

(4) 2017年3月 第三者割当増資(C種優先株式)

前回ラウンドから7か月後にC種優先株式による資金調達を行っています。株価は前回ラウンドと同じ30,000円/株です。

発行株式数 204株
株価     30,000円/株
調達金額  6,120,000円
時価総額(Post Money Valuation) 135,930,000円

(5) 2017年6月 第三者割当増資(D種優先株式)

前回ラウンドから3か月後にさらにD種優先株式による資金調達を行っています。C種優先株式に続いて、株価は前回ラウンドと同じです。

発行株式数 334株
株価     30,000円/株
調達金額  10,020,000円
時価総額(Post Money Valuation) 145,950,000円

なお、A種からD全ての優先株式において残余財産分配権は1株当たり1倍となっています。

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また、優先配当基準も定められており、各種優先株式について株価の5%が優先配当金として設定されています。

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(6) 2017年8月 第三者割当増資(第1回株式投資型クラウドファンディング)

前回ラウンドから2か月後にFUNDINNO(ファンディーノ)にて株式投資型クラウドファンディングにより、197人の個人投資家から資金調達を行っています。株価は前回ラウンドから2か月しか経っていないにも関わらず62,500/円と2倍強になっており、結果的に資金調達後の時価総額は3億円を超えました。

一般的に優先株式の方が普通株式より株価が高くなるのですが、今回のケースでは、普通株式の価額の方が優先株式よりも高くなるという逆転現象が起きています。

発行株式数 518株
株価     62,500円/株
調達金額  32,375,000円
時価総額(Post Money Valuation) 336,438,000円

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(7) 2018年10-12月 第三者割当増資(普通株式+第2回株式投資型クラウドファンディング)

1年4か月後に同じくFUNDINNO(ファンディーノ)での2回目の株式投資型クラウドファンディングにより、185人の個人投資家から資金調達を行っています。株価は前回ラウンドの2倍弱、資金調達後の時価総額は7億円近くに到達しました。

普通株式による調達
発行株式数 5株
株価     120,000円/株
調達金額  600,000円
株式投資型クラウドファンディング(普通株式)による調達
発行株式数 292株
株価     120,000円/株
調達金額  35,040,000円
総調達金額 35,640,000円
時価総額(Post Money Valuation) 681,600,000円

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まとめと所感

最後にまとめます。

(1) 株式投資型クラウドファンディング活用による高バリュエーションでの資金調達

上記で記した通り、一般的に優先株式は残余財産分配等の内容が普通株式より有利となるため、株価は優先株式>普通株式となりますが、オールユアーズは優先株式で資金調達した直後に、優先株式の2倍のバリュエーションによる資金調達を普通株式のクラウドファンディングで行っています。その後もさらに2倍近いバリュエーションで2回目となる普通株式のクラウドファンディングで資金調達を成功させているのが特徴的と言えるでしょう。

(2) ストックオプションを発行していない

FUNDINNOの記載内容によれば、当社は将来的にIPOを目指すとしています。IPOを目指す企業では従業員の士気向上を目的としてストックオプションを付与するケースが多いですが、少なくとも現時点ではストックオプションは発行されていないようです。

(3) 経営陣の持分が少ない可能性がある

現時点で経営陣と初期の普通株式投資家の持分を合わせて過半数を超えていると予測されます。初期の普通株式投資家のうちどれほどが経営陣による出資かは分かりませんが、仮に経営陣の出資が全くないと仮定した場合(ニュースリリースには第三者割当増資としか記載がない)、過半数どころか3分の1を下回っている可能性もあり、今後の資金調達に影響を与える恐れがあります。

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