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【倒産事例あり】株式投資型クラウドファンディングで詐欺に会わないための心得

joker

クラウドファンディングについて調べていくと、ネガティブなニュースや記事も出てきます。

その一つが「クラウドファンディング詐欺」です。

日本での実例は海外と比較すると少ないものの、クラウドファンディングが普及しているアメリカや中国などではクラウドファンディングで「資金を騙しとられた」という被害は多く存在します。

日本においても届くはずの商品が届かない、飲食店を支援したもののお店が閉店するなどのケースが過去にありましたが、これは寄付型・購入型のクラウドファンディングで、株式投資型についてはテレビで取り立たされるようなクラウドファンディング詐欺報告はまだありません。寄付型や購入型と異なり、株式投資型は運営するためには金融庁の許可が必要なこともあり、現在は健全な運営が行われています。

とはいえ、投資家サイドからすると基本的にはEXIT(イグジット)しない限り戻ってこない投資です。事業内容だけではなく、信用ができるサービスや人なのか?ある程度の見極めは必要となります。

この記事は株式投資型も含めたクラウドファンディングで被害に合わない為の心得を紹介します。大切な投資資金を運用するものなのでしっかりと注意していきましょう。

 クラウドファンディングの詐欺は大きく2分類

これまでの詐欺事件の事例を見てみると大きく2分類でき、プロジェクト発起人(起案者)かクラウドファンディング業者というケースが多いです。

細かく見ていきましょう。

プロジェクト発起人(起案者)による詐欺

クラウドファンディングによってプロジェクトを起案した人が詐欺師であるケースです。

資金を提供したものの「商品が届かない」、「明らかに品質の悪いものが届く」といった「寄付型」や「購入型」に多く見られます。「株式投資型」であれば株式がもらえない、プロジェクトが実行されない、などが考えられますが、現在のところそういった詐欺被害はありません。

ここで注意をしたいのは、株式投資型クラウドファンディングの場合は、投資後のプロジェクト始動や配当に時間がかかることがほとんどです。EXIT(イグジット)できる企業もあれば、途中で投資先が破綻するという場合もあります。「なかなか配当がでないな」と感じても、実際は「プロジェクト始動に障害があり、時間を要している」「やむを得ない理由などで断念した」というパターンもあり「何でも詐欺である」と断定することは出来ません。

投資前に十分リスクについて把握した上で、出資先の起案者がどのような人であるのか確かめておくことが重要です。具体的な対策を紹介します。

 【対策①】「起案者情報」の確認

投資前に必ず見るのが起案者のプロフィールです。

必ずプロジェクトに掲載がされますので、エゴサーチをすることはもちろん、FacebookやInstagram、Twitter、最近であればYouTubeやLinkedIn(リンクトイン=世界最大級のビジネス特化型SNS)などチェックしていきましょう。

SNSはフォロワーを購入する手段もありますので、フォロワーさんもチェックして実際に活躍している経営者や業界人との繋がりがあると安心材料の一つになります。

 【対策②】事業計画書の確認

一般的なクラウドファンディングは審査がないパターンもありますが、株式投資型クラウドファンディングには必ず仲介業者の審査があります。起案者の経歴やプロジェクト内容など一通りチェックされますが、可能であれば自分自身でも事業の将来性やマイルストーンが現実的なものかどうか見極めることが重要です。

クラウドファンディング運営サービス会社による詐欺

2つ目はクラウドファンディング運営サービス会社が詐欺を行っているケースです。

このケースですが、過去にソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)が活発な中国で現金の引き出しが困難になる、運営会社と連絡が途絶えるなど、警察が介入し70社以上運営会社が告発されるなど、非常に大きな問題となりました。日本では「みんなのクレジット」や「ラッキーバンク」、「クラウドリース」、「グリーンインフラレンディング」などが一時ニュースとなり投資家界隈で大きな話題になりました。株式投資型クラウドファンディングにおいて、仲介業者が詐欺であったという大きなニュースは今のところありませんが、きちんと信頼できる業者か、しっかりと調べるに越したことはありません。

「なぜ株式投資型クラウドファンディングで資金を集めたいのか?」理由や狙いを考えて見ることも良いです。よくわからないものがあれば詐欺ではなくとも出資するべきではないので、きちんと見ていきましょう。運営サービス会社による詐欺被害に合わないための対策を紹介します。

【対策1】リスク開示や管理方法の確認

株式投資型クラウドファンディングの運営会社では資金についての「リスクの開示」を行っています。自ら「どんなリスクがあるか」「破綻した場合はどうなるか」など回答を確認しましょう。

【対策2】運営会社について調査する

運営会社についての実績や運営会社社長の略歴などの情報をネット等で調査しておきましょう。ホームページだけでは得られる情報は限定的です。SNS等を駆使して様々な角度から運営者情報を仕入れて、実態を調べることが重要です。

発起人の場合もクラウドファンディング業者についても共通して言える対策は、“信頼できる人・サービスなのか?”を確認することです。

「発起人を確認する」「社長の経歴を丁寧に調べる」「資産は一点集中ではなく分散して投資する」「違和感を感じるほどにリターン条件がよい話は避ける」などの対策を取れば被害を受ける可能性は大幅に減らせます。

倒産案件への注意

株式投資型クラウドファンディングで投資先が倒産し投資資金が戻ってこない事案が1件あります。

仲介業者のFUNDINNO(ファンディーノ)から募集されたブレスサービス社で、倒産までの経緯に不透明な部分が多く、FUNDINNOが公表できるほど事実確認が出来ていない点が問題になっています。

ブレスサービス社が透明性のある健全な経営を行っての倒産であれば投資家の納得感も生まれますが、資金調達の途中で新会社を設立したり、2回目の資金調達時点で運転資金が底をついているなど納得できない部分が多く、こういった案件が生まれることは業界にとってマイナスになってしまいます。

本件については直接インタビューされた記事もあります。

https://ipomechanic.com/2019/02/27/fundinno-interview/

インタビュー内でも語られていますが、IR(株主や投資家向けに経営状態や財務状況、業績の実績・今後の見通しなどを広報する活動)の内容や報告頻度は企業によってバラつきがあります。

企業はポジティブな要素だけではなく、ネガティブな要素も含めた細やかな情報発信が大切です。

まとめ

今回クラウドファンディング詐欺についてお話しましたが、何でも詐欺と疑おうと言うことではありません。

株式投資型クラウドファンディングは投資家にとって“新しい資産運用”であり、利用する企業や事業者にとっては今までにない“新しい資金調達方法”になります。

まだ世の中に出ていない研究開発や商品開発など幅広い可能性を持っており、今後更なる成長が期待されている市場でもあります。

原点としては投資家が「企業や人を応援したい」という思いから成り立っている部分も少なからずあり、これを悪用する詐欺行為は許される事ではありません。

クラウドファンディングで被害に合わない為に、対策をしっかりと行って是非活用してみて下さい。

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